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※管理人のアスカガ妄想場。短編or続くか不明なものばかり;;続いたらサイトにもアップします。当然ですが無断転送一切禁止です。
その8
ああ、俺ってこんな奴だったんだな。
銀鏡反応8 パーティーの日、アスランの胸の中に眠る気持ちが今か今かと逸っている。 そんなに焦るなと、アスランは心に言い聞かせた。 計画はばっちり。 別に婚約した二人が同じホテルのスイートルームを取って何が悪い。 アスランの脳内では全くスイートな空間になる予定だが、実際はかなりのビターになるかもしれないと簡単に予想できた。 緑の美しいドレス。 いつもはしない化粧をしたカガリがアスランの隣りにならぶ。 二つに結わえられた髪。細い首にあった赤い痕はファンデーションで綺麗に隠されていた。 黒い・黒い・黒い気持ち。 いつも抱えていた。 カガリがキラと話すとき。 カガリが俺にキラの話をするとき。 カガリが誰かの手で美しくなったとき。 カガリの首筋に赤い痕を見つけたとき。 自分の心に何か黒く汚いモノが堪っていく。 それが意志を持って、アスランの身体を動かす。 『ああ、もう終わりだ。』 -------そう心の声がする。 違う、終わらせたかった。 叶わない気持ちに、ピリオドを打ちたかった。 本当は待ち続けるつもりだった。カガリと結婚して、カガリと生活をし出すまで。 夫婦ならば嫌でも身体を開くことが出来る。夫婦になれば、きっとカガリも俺だけを見てくれるようになる。 そして・・いつか俺を愛してくれる。 そんな淡い期待。叶うかどうかも分からない期待を何年も待ち続けることが出来なかった。 でも手に入れたい。俺だけを見て欲しい。 他のものを見るようなカガリの瞳はいっそなくなってしまえばいいと思う。 だから、俺だけを見るように仕向ける。今日。 嫌われたっていい、・・だって捕まえた君を、---心を、甘くて暗い檻で外から閉ざしてやる。 だから、今日で終わり。 この不毛な思いも、今日君を手に入れて、終わりとなる。 パーティーは滞りなく進む。 カメラのフラッシュにアスランとカガリは何度も堪えた。 お互い作り笑顔をし、何枚もの写真を撮られ、取材も受けた。 -------同じ学校で、婚約前から仲が良かったと聞きましたが? --ええ、中学から仲が良くて。 -------おつき合いとかもされてたんですか? --いえ、ですがこの人だったら嬉しいと思いましたね。 -------カガリさんもですか? --はい、彼は私にはもったいないくらいです。私の方が「いいのかな?」って心配でした。 用意された通りの言葉を言い、アスランとカガリは会場を後にする。 「うー、疲れた~・・こんな季節に肩の出たドレスはキツイな。あれ?どこで私着替えればいいんだっけ?」 「こっち」 「お!アスラン覚えがいいな!」 カガリの世話役であるマーナさんにはもう事を伝えてある。 上手く言ったから彼女も俺とカガリが純粋に恋愛していると信じ込んでくれて助かった。 「うわーっ!凄いな!ホテルのスイートルームじゃないか!」 そう言って部屋をトコトコととカガリは歩き回る。 「マーナはどこだ?」 「彼女は少し忙しくて、ちょっとしたら来るって俺の所に連絡が来た。風呂でも入って待ってればいいんじゃないか?」 「分かった!そうするな!」 そう言って、カガリは浴槽へと向かう。 アスランは大きなベットに座り、じっとこの後のプランを脳で復習する。 「・・・・・・・」 アスランがもし今アレックスだったら、きっとお風呂に入って来ちゃうんだろうな・・。 そんな事をぼんやり考えると恥ずかしくて、赤面する。 そういえば、今日のアスランのスーツ姿凄く格好良かった。 あんなのが記事に出たら世の中の女性達はきっと私の写真に画鋲とか釘とか打つんじゃないだろうか? なんてさえ思う。 「----これで、いいのかな・・?」 アスランには私なんかより似合う人が沢山いるんじゃないか。 第一私とアスランは親友だし・・。そりゃ好きだけど・・・・・。 「・・はぁ・・・。」 アレックス、アレックスは何で私を好きになったんだ? もしもアスランが好きな人を作ったら、私はアレックスとも別れなきゃいけないんだろうな・・。 だってそうだろ?・・アスランは好きな人がいるのに、アスランの別人格であるアレックスが私を愛してくれても私は喜べない。アスランに申し訳ない。好きな人がいるのに、私はそのアスランの口づけに、アレックスからのキスに、罪悪感を感じてしまう。 それに・・いつまでアレックスが存在するかだって分からない。 消えてしまう、きっと・・いつかは。 なのに、婚約・・後には結婚。 こんなのって・・・良いはずがないだろう・・。 鏡に映った自分を見る。高校進学時より幾分か大人っぽい顔立ちにはなったが、アスランと並べる容姿だとは思えなかった。 アスランがいつか、私を選んでくれる訳がない。私はアスランに相応しくない女だと思う。 あの紳士的なアスランと自分がアレックスと自分のように恋人らしくする姿は想像できなかった。 きっとアスランは絵に描いたようなお嬢様を好きになるんじゃないかな? 私とアスランは親友で仲は良いけど、きっと好きになるのはそう言う人のような気がする。 +++++ 恋愛小説の醍醐味って行き違いだと思うわけだ←ぇ ってか実際世の中行き違いだらけだよね恋愛って(知ったように言ってみる PR この記事にコメントする
無題
銀鏡反応、面白すぎます。
すれ違いの二人ですね~。 お互い思いあっているのに、上手くいかない。 言葉で伝え合わないと分からないことっていっぱいありますもんね。 それにしても、この後二人はどうなっちゃうんでしょうか? 心を通わせられるのでしょうか。 続きも楽しみにしています。 Re:無題
面白いと言って頂けて嬉しいです!
そうですね、言葉で言わなければ分からない事って多いですよね。 続きは見てのお楽しみ!ということで♪
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