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※管理人のアスカガ妄想場。短編or続くか不明なものばかり;;続いたらサイトにもアップします。当然ですが無断転送一切禁止です。
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その4






吾輩は猫である、名前はまだない。

とは似ても似つかないが(第一俺人間だし)俺もまた「名前はまだない」



銀鏡反応4


夢を見る。

カガリを抱く夢。



「はぁ・・、」

俺も一応青春男児なんだな・・。


元々草食系男子の最先端を行くアスランには予想外の夢。
想像しなかったかと言われれば、全く嘘になるが・・まさか夢で出てくるとは。

しかも一度や二度じゃない。

ラッキーだし嬉しいんだが、・・・人として情けない気もする。
付き合ってもいない子を夢の中で幾度と無く汚してる、なんて。

そう理性を働かせながらも、アスランは夢の中のカガリの感触に酔う。


「おーい!アスラーン!」
「・・・あ、はい?」
「どうしたんだよ、この頃ボーっとしてること多いぞ~」

生徒会の仕事中、ビシッっと先輩のディアッカに突っ込まれアスランは頭を掻く。
最近夢の中でのことが、不意にフラッシュバックする。
何とも都合のいい脳味噌であるが、日常に余りにも出てくると今みたいな事になってしまう。

「何かこの頃調子悪くて」
これは本当である。常に微熱があるように気怠いし、低血圧にでもなったのだろうか?慢性的に眠い。

「貴様、最近悪い噂をちらっと聞いたが・・」
「おいおい、まさか好きな子奪われて・・強行に乗り出したんじゃ・・・っ」
「まさか。やめてくださいよ、そういう下らないことでからかうのは。」

呆れて溜息を付いたアスランに、イザークは「噂など立たぬように勤めるのが普通だ」と言い放っていた。



それからしばらく・・二つの季節を跨いだ、もしかしたらホワイトクリスマスかもしれない・・などの話題が出る頃、不意に噂が立ったのはカガリの方だった。

無理もない、とアスランは思う。

カガリはこの半年で、驚くくらい綺麗になっていた。

少年らしさは薄らいで、目鼻立ちがハッキリとし、何より雰囲気に幸せそうなオーラが溢れていたのだ。

アスランは直ぐに気が気じゃなくなって、相手を自分なりに捜した。

しかし、キラではないようだし、他の思い当たる男はいなかった。


「カガリ、ちょっといいか?」
「ん?何だ?」

クリスマスはアスランの父親の会社、カガリの父親の会社共に大きなパーティーがある。

今年はカガリとアスランの婚約発表も兼ねて、更に盛大になる予定らしい。

「クリスマスの事なんだけど・・」
「ああ、聞いてる。合同なんだろ?」
「俺達の発表があることも知ってる?」
「知ってるさ」

そう言うカガリはどこか素っ気なくて、アスランは不安になる。

違う、いつだって俺は不安だった。

カガリの目が俺じゃない男に向いてることが、嫌で嫌で嫌で堪らない。

「・・・アスランは、いいのかよ?」

俺に目を合わさず、カガリはポツンと呟くように言う。

「何が?」

「今回の話だよ・・!・・親の勝手じゃないか!アスランは・・それでいいのかよ・・!」

・・・私は不服だ!嫌なんだよ!

そう、カガリの声なき声が届いた気がする。
普通そうだろう。

・・でも俺は、万々歳なんだよカガリ。

「好きな奴とか・・いるだろ?・・出来るかもしれないだろ?!・・嫌じゃないのかよ・・!こんな勝手・・・っ」

「別に、俺色粉沙汰に興味ないから・・」

何で本当のことを言えないんだろう、言っても困らせるだけ・・そう分かってるから。

「・・あれ?・・もしかして、カガリ・・好きな奴いるのか?」

白々しくそんな事を聞く。何を聞いているんだ俺は。・・自分が悲しくなるだけじゃないか・・。

カガリは少しの間だ、黙って・・瞳を潤ませた。

そんな目で見られると、こちらがどうにかなりそうだったが、カガリの瞳が語りかけるのは恋慕の情ではない。
"悲しい"そう目が訴えている。


「うん・・・いる・・、大好きな奴が。」


その言葉に、心臓が一瞬止まった気がした。
仮面のような笑顔を張り付けて、アスランは声を何とか絞り出す。


「そっか・・じゃあ嫌に決まってるよな。・・そいつとは付き合ってるのか?」
「うん・・・」
「・・そうか・・・・・。」

あくまで優しく、いつも通りに声を出す。
カガリは涙を拭いていて俺の顔なんて見えないだろう。

「別れろなんて言わないよ、俺も親も。婚約なんて形だけだし、俺と結婚したとして・・そいつとの付き合いを止めろなんて言うつもりもない」
「・・・・。」
「それに俺だって好きな人が出来るかもしれないし・・、お互い様だろ?」

恐らく俺はカガリ以外に好きな人は出来ない。
そんな保証はどこにもないけれど、俺には自信があるよ。

君だけを愛し抜く自信が。


「・・だから泣くな、カガリ。」

そう言って頭を撫でると、カガリは更に泣き出してしまった。








気持ちとは裏腹に美しい言葉ばかりを並べて、腹の底は沸々と煮えたぎる。

何で俺じゃないんだろう。

何で俺を選ばないんだろう。

俺はこんなに好きなのに、愛しているのに。



フッと見えた、カガリの襟元の赤い痣。

アスランはそれが見えた瞬間、自分の中にいつの間にか出来た醜い塊がハッキリと姿を現すのを見た。












+++++++++
あと数話で終わりそう?
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