これがブログに載る頃にはスペエディ完結編が発売してるんですね;;うわー待ち遠しい!!!!
「・・このマンション・・なのか?」
「ああ・・そうだ。」
・・・同じマンションじゃないか・・。
彼女を自分の部屋に通すなんて、嘘みたいだとアスランは心の底で思う。
(仮)彼氏だとしたって、いくらでも強行を望めば行ける。
そう思いながらも、今のアスランにカガリを襲う気はない。
・・・今はまだ、仮だから。
正式に付き合いだしたら直ぐにでも・・頂くつもりだった。
「・・広いな・・流石上から二番目!」
カガリが居るのは低い階で、他のマンションと何ら変わりないが、やはり上は訳が違う。
誰にも見られるはずがないから、リビングはガラス張りだ。
「気に入った?」
「ああ・・っ!夜とか綺麗そうだな・・。」
どこのマンションよりも高いこのマンション。しかもそれのワンフロア全て使ってるとなると本当に広い。
「風呂は露天風呂もあるし、ベランダも広い・・良いところだよ。」
「露天風呂っ!凄いな!!」
楽しそうにはしゃぐカガリが、可愛くて・・昔と変わらないカガリにどこまでも懐かしさを感じる。
そして・・愛しさも、沸々とわき上がってくる。
「なぁ、アスラン!あの変な形のビル・・っ!」
満面の笑みでこちらを見てくれるカガリに、アスランは言い知れない幸福感を抱き、二人の時間をしばし楽しんでいた。
だが・・どうしても時間は動き、直ぐに仕事の時間が来てしまう。
「・・今日、酒屋に迎えに行くよ。・・そしたら、またここに来ないか?」
「え・・でも・・。」
そう、カガリは目をそらす。
アスランはその態度に少しの苛立ちを覚えていた。
「・・何?・・イヤなのか?」
「いや・・っていうか、夜家に上がるのは・・。」
ちょっと・・と、言われ「・・取って喰ったりしない。」とアスランは冷めた口調で言う。
「でも・・。」
「いいよ。来なくて。」
あっさりと呆れたように言い放ち、アスランとカガリは一緒にマンションを出て別々の道へと進んだ。
歩きながら・・カガリは、先ほどの態度について考えていた。
やはり、時が過ぎれば人は変わる・・・・・それが、良い方向に行くか、悪い方向に行くかは分からないが・・。
それに相手の一部分だけを評価するのは好きじゃない。・・アスランは、頭が良いのに大学に行くのを止めて、自分の進みたい道を選び、その道を順調に進んでいるのだから。
それだけでも・・カガリからしてみれば純粋に尊敬できる事だ。
・・・きっと、それまでの道で・・疲れたり、何か心に思うことはあったのかもしれないし・・・。
「・・そう・・だよな。」
アスランは昔からみんなに好かれていた。
頭が良かったから、容姿が優れていたから。
確かにそれもあるかもしれない・・でも・・・。
アスランは誰にでも平等に優しく、穏和だったからだと思う。
・・・・きっと、アスランの根本は何も変わったりしていない・・。
何故かそう確信めいた答えを出した気分で、カガリはスッキリとした気分で酒屋へ入った。
「今日不機嫌ですね。アスラン君・・。」
「・・・五月蝿い・・。」
マネージャーのタゴスタに言われ、アスランはそれを一言で押し返す。
カガリは・・俺の事なんて、何とも思っていないのだろうか。
俺ばっかりが、幸せで・・・カガリには退屈な時間なんだろうか。
何で・・。
・・・・・・・・・・なんで、俺ばっかり・・。
黒い車の中、アスランは瞳を閉じた。
頭が痛い・・。
時々あるんだ、・・異様にウザイ事が起こったり・・。自分の思い通りに事が進まないとき。
「はぁ・・。」
・・今夜会えないかな・・。
手帳を開きスケジュールを確認する。空きはあるが、カガリは「イヤだ」と言っていた・・。
ならば今日に予定を詰めて、違う日に開ける方が良いのかもしれない。
「タゴスタ、今日・・今朝言ってた朝のニュース番組のインタビュー受ける。」
「ああ!良かった、じゃあそう電話しておきます!」
休み時間に、電話しよう・・。
そう決め、アスランはもう一度深く溜息を付いた。
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アスランがカガリのために頑張ってます。彼なりに・・ですが;;;
これからアスランには後に色々辛いことがあるかもしれません・・。
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