学校で・・一緒に食事をする程度の友達が持っていた雑誌の中に、大きく取り上げられたアスランを見つける。
そこには、自分とは違う世界が広がっているような気がして、少し淋しかった。
「はぁ・・。」
今日何度目となる溜息を付く。
先ほど雑誌を読んでいた友達・・ルナが「どうしたの?」と声を掛けてくれた。
「いや・・何でも・・」
「何か悩んでるでしょ?」
知り合って間もない友達だからとてもアスランのことまで言えないが・・。
ルナの優しさに甘え、カガリは「ちょっとな」と口を濁した。
「・・彼が持てるんだ。」
「やっぱりカガリいるのね~。あーあ、サークルの人たちガッカリするわ~。」
少し茶化すようにだが、ルナは笑い「それで?」と訪ねてくれる。
「うん。・・私と違ってさ、もう働いてるし・・世界が違うようなきがして。悔しいし・・。」
「社会人なんだ・・。まぁ仕方ない部分もあるわよ、やっぱり。」
「そうだよな・・。」
こんな事で悄げちゃ駄目だよな。とカガリは少し気を楽にする。
「そうそう、カガリは未来の弁護士なんだから!・・彼にギャフンと言わせてやる!くらいで行かないと!」
「そうだな!・・頑張るぞ!ありがとう!」
笑顔になったカガリを見て、ルナも小さく笑ってくれた。
「・・・そう言えば・・さっき、アスラン・ザラの特集見てたよな・・・?ファンなのか?」
無意識に出た言葉に、カガリは少し反省しながらもルナを見る。
「あぁ・・そりゃ格好いい人だとはおもうわよ?・・・でも、ファンなのは妹なの。雑誌買って来てーってメールもらたから。」
「そっか。」
カガリもファンなの?と聞かれカガリは「ちょっとな。」と返し・・カガリは午後の講義の部屋へと向かった。
アスランは出来る人間だ、昔から変わっていない・・。
羨ましい反面、やはりライバル心が沸く。
「絶対負けないぞ!」
アスランのことは好きだし、一緒にいて安らぐがプライベートと仕事は別腹だ。
そう喝を入れてカガリは講義を受ける。
終わっていつものようにバイトに行き、ムウさんやお客さんと笑い会う。
ここはアットホームな感じで、カガリは大好きだった。
バイトが終わると直ぐにアスランに「今日そっち行っても良いか?」とメールを入れる。
だが・・それは直ぐに返ってこなくて、カガリは溜息を付き自分の部屋へと帰った。
勝手に出入りするのは厚かましいよなぁ。
そう自分のベットに沈んでいると、携帯に着信が入る。
「・・アスラン?」
『・・・・今どこにいる?』
「え?」
どこって・・。
「家だ。」
『・・・誰の。』
「私の。」
『・・・・・・・。』
受話器ごしに大きく溜息を付く音が聞こえる。
「アスラン?」
『・・・バイト先まで探したんだぞ。』
「へ?」
拗ねたような声がして・・カガリはすっとんきょんな声をあげた。
『・・・出来るだけ早く来てくれ。』
そう言って・・電話が切れたのを見て、カガリはしばし真っ赤になってから立ち上がりエレベーター乗った。
あぁ、もう反則だ、あいつは・・!!
今日友達の雑誌で見た、ギラリと目の光るトゲトゲとした感じとは違いどこか弱くて甘えてくるアスラン。
普段がしっかりしているからこそ、甘えて貰えるとうれしかったりもするし・・。
そう考えているとアスランの階について、カガリはこの間もらった鍵やカードで扉を開いた。
++++++
アスランが甘えん坊です。ちょっとツボった・・。