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※管理人のアスカガ妄想場。短編or続くか不明なものばかり;;続いたらサイトにもアップします。当然ですが無断転送一切禁止です。
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咽の痛み方がガラガラからキンキンに変わってきました。明日学校なのにやばいな・・。



カガリのことを"嫌っている"ハズじゃなかったんだろうか?

そう考えたのは紛れもない、アスラン自身だった。


キラが居ないので一人で帰りながら、親友から傷を負わされた頬を労る。
そうしながら浮かんだのは心配そうなカガリの顔だった。

嫌いだ・・そう思ったのも事実だった・・だが可愛いと、そう思ったのも本当。

金褐色の瞳が頭から離れない。




「キラ・・っ、お前・・何でアスランと喧嘩なんてしてるんだよ!!」

帰ると直ぐにカガリはキラに問いつめるが、キラは何も言わず黙る。
そんなキラの態度に苛立ち、カガリは「おい!」と胸ぐらを掴む。

「僕が悪いの?」

「人に暴力を振るうのは悪だろう。」

「・・・言葉だって、態度だって・・行きすぎれば暴力より質悪いじゃない・・。」

嘲笑うようにそう言ったキラは、カガリの手をパンと払う。

「僕は、・・アスランがカガリを悪く言うのに耐えられなかっただけだ。」

「わ・・私は別に・・もうなれたし・・。」

「慣れる?慣れて良い物じゃないよ、あれはアスランが悪いんだから。」

でも・・とカガリは小さく口を開きキラを見上げる。
キラにも、カガリが何と言おうとしているのか分かっていた。

「でも・・・・・私は、キラとアスランの仲まで・・悪くなるのが一番嫌なんだ・・。」

そうポツリと口にした言葉を、キラはアスランにも聞かせてやりたいと激しく思った。


・・・-------------。

キラに殴られたのは、カガリを悪く言ったからだ。
苛立っていた・・機嫌が悪くてあんな言葉が出たんだと思う。

だが・・。

それよりまず、何で俺は苛立ったんだ?

簡単なことだ。カガリが、あの子達に囲まれ質問され動揺していたから。
ああいう態度が肯定していると、そう感じたから。

「・・・・・・。」

付き合う気があるならあると、ないなら友達だと言い切ればいいのに。



次の日アスランは珍しく自らキラの家に行く。
いつもはキラの方から来るので珍しいことだった。

「アスラン!」
「おはよう、キラ。」

大分腫れの引いた頬を見せ、アスランは後ろに心配そうに佇むカガリに声を掛ける。

「昨日はありがとう・・、カガリには謝らないといけないって、思ってたんだ。」

そう言って頭を下げると、キラは少し押し黙ってから「信じられない。」とハッキリ言う。

「昨日の・・今日で、信じられないよ。」

何も昨日だけじゃない、キラはアスランがカガリを悪く見たり言ったりするたび心が痛くなっていた。

「カガリ。」
「え?」

唐突にカガリを呼ぶとカガリはビクッと動き、少し動揺した目でアスランを見る。
・・・昨日の顔の方が、数倍可愛かったなと、アスランは頭の隅で思った。

「色々・・言いたいことがある。」

喧嘩腰ではなくて、話し合いたいと見て取れるアスランに、カガリは頷く。
昨日の不可解な行動もそうだが、それ以前に長々続くこの険悪感をぬぐい去りたかった。

「・・泣かせたら、次はそんな程度じゃ済まさないからね。」
「・・・泣かせるつもりはないよ。」

いつも通りのアスランに・・キラは「分かった」と言い、歯磨きも寝癖直しもしていないカガリを突き出す。
かろうじて制服を着て鞄も玄関にあったから良かったが、突然すぎることにカガリは驚いていた。



「・・・。」
「・・・。」

お互い黙って歩く。早朝のせいかまだ生徒の影は見当たらず道ばたに二人きりだ。
カガリは何を言われるのかと内心バクバクしていたが悟られないように気丈にアスランに声を掛ける。

「だ・・黙ってたら分かんないだろ?早くいえよ!」

そう言うと、アスランは一度こちらを見て再び前に向き直って口を開いた。

「そう言うところ、あんまり好きになれない。」

「・・・は?」

「気丈に振る舞ったって、カガリは何も隠せてない。」

そうなのだ、カガリは成長するにつれ・・感情を隠すようになった・・。別に悪いことだとは思わない、だが・・。

「壁を作ったのは、カガリが先だった。」

ずっと一緒にいた自分にさえも、隠してしまった。それが、嫌だった。それに・・。

「それに昨日みたいに、曖昧な態度で・・友達に冷やかされて・・肯定したいのか否定したいのか分からない。」

「否定って・・だって、スティングのことはまだ考えてる最中で・・っ」

「考えるって・・何だよ。好きだと思っていなかった相手と付き合うのか?」

「それは・・・。」

付き合った経験がないカガリからしてみれば、好奇心があったのかも知れない。
でも、好きになれるかもしれないと・・付き合っても良いんじゃないかと思ったのも本当で。

「・・相手に失礼だとか、思わないのか?」

そう、グサリと言われカガリは黙ってしまう。確かにそうだからだ。

「だ・だけどスティングは・・付き合ったら好きになれるって・・だから、嫌じゃなければ付き合って欲しいって・・。」

「・・・同情の交際なんて惨めなだけだ。」

「そう・・だが、好きになれるかも知れないじゃないか!」

ほら、
そう言うところが。
嫌いなんだ。

「アスランの言いたいことは分かる!でも・・スティングは友達で・・良い奴で・・・・・。」

そう・・涙目になって言うカガリにアスランはプチンと何かが切れる。
付き合いというのは友達とは違う、友達だと思って大切にするのならば尚更・・断るべきなのだから。

カガリは・・付き合うって事が、分かってるんだろうか?

立ち止まったアスランに、カガリも足を止める。
見上げた瞬間、クッと顎を上げられアスランの顔がアップになる。

「っ・・んっ・・」

キスだと、分かっていても認識できないで居た。驚きも困惑も吹っ飛び頭が真っ白になる。

唇も口の中も舐められて、やっと離したときにはカガリの脳は酸欠を起こしかけていた。



「付き合うって言うのは・・こう言うことを日常茶飯事にするって事だ・・分かった・・・?」


思わず唇を押さえたカガリに、アスランはフッと笑う。
「・・・これを君は"友達"とするつもりなのか?」

そう言われ・・カガリは道ばたに一人取り残された。



アスランは一人で歩きながら、熱を持った唇に触れる。

ああ、さっき・・キスしたんだった・・。

アスランにとって、今のは物心着いてから初めてのキスだった。

改めてアスランはカガリの唇の気持ちの良い感触を思いだしながら思う。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


自分は・・何をやってしまったんだろうと。




++++++
朴念仁アスランを書くのは結構楽しかったり。次・・で、終わります。(多分;;;)
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