初恋は二度目 第二十一話

ホントはこれ書く前に違う話を１話から書いていたのですが・・、それは二十万ヒット用にしようかなと・・。
うーん、二十万ヒット書けるだろうか・・。

「ん・・・。」

・・・・暖かい・・。

すりすりと顔を動かし、その温かい物に顔を押しつける。




「う・・。」

胸にがさごそと当たる感覚・・。

スンスンと匂いをかげば、彼女の匂いがする。

「・・・・・・・・・カガリ・・？」

掌で頭を撫でるとその頭は安心したように止まる。


フッと・・昨日のことを思い出す。
やれないと分かったときは酷く残念だった・・でも・・・。
ついさっき見た幼い日の夢・・初恋の、思い出をもう一度振り返り、アスランは目の前にある人を包む。

・・・・・・・こんなに幸せなんだ。

やれなくても、あんな快感に助けて貰う必要もなく・・幸せを感じる。
触れたいと、思う気持ちがなくなる訳じゃないけど・・。

カガリが居るだけで、こんなにも満たされている。

その真実が嬉しくてアスランは愛しさを籠めておでこにキスをおとす。
するとやっと覚醒したようで・・カガリがぼんやりとこちらを見上げた。

「・・・アスラン・・？おはよう・・。」

彼女も優しく微笑んでいて・・アスランは溜まらなくなってカガリの唇を奪う。
「ん・・ふ・・、ぅん。」
目覚めたばかりで、お互い乾いた口内が徐々に湿気で埋まり・・アスランは数分してようやく口を離した。

「おはよう・・カガリ。」

その、優しすぎる目に・・カガリの心臓がドキンと跳ねていた。


「朝ご飯・・・食べたいな。」

懇願するような目で見られ、カガリは少し赤くなった頬を隠せず、キッチンに向かう。
アスランも・・そんなカガリに気が付いて、後を追った。

「・・食パンと・・コーヒー、あと目玉焼き作るな！」

真っ赤になってしまった自分をカガリは叱咤しながら手を動かす。
相手が眉目秀麗であることは百も承知・・だが、不意にあの笑顔は駄目だ・・っ！

あんな優しい笑顔を向けられたら、フリーズしてしまうんじゃないかというほど激しく心臓がなってしまった。

「カガリ？・・・顔、百面相だけど・・・？」
「え？！」

ガバッと顔を手で押さえたカガリにアスランはプッと笑いが零れる。

「ほんと・・カガリは可愛いよな・・。」

クックと笑う姿に、カガリは真っ赤になって「可愛くない！！」と反論するが、「はいはい」と流されてしまう。
この会話が、昔と同じで・・いや、同じようで、全然甘いもので・・カガリはとても心地よく感じていた。

何か・・昔のアスランが、戻ってきたみたいだ。

そう、感じていた。

「あのなぁ・・お前の方がずっと綺麗なんだからな！！」

トレイに目玉焼きとコーヒー・・それにトーストとマーガリンを持ちながら言うと、アスランはフッと笑い据わったカガリの目を見つめる。吸い込まれそうなくらい綺麗な目にカガリはまた言葉を失ってしまう。

「・・カガリの方が、綺麗だ。」

そう・・言われて、カガリはボンッと顔が真っ赤になってしまった。

「ば・・恥ずかしい・・嘘、簡単に言うなっ！」
「嘘じゃないよ・・カガリが、綺麗だから・・・他の男に知られたくなくって、昨日あんな怒ったんだぞ？」

いたって真面目に返すアスランにカガリはどうして良いのか分からず目が泳いでしまう。
そんなカガリを見てアスランは優しく笑って見せた。


そうしている間に・・・・カガリは大学に行く時間になり、アスランに別れを告げる。
アスランは名残惜しそうに手を離し・・自分も仕事へ行く準備をしていた。




「・・・・何か・・良いことありました？」
「え？」

向かえに来たマネージャー・・タゴスタにそう聞かれ、アスランは首を傾げる。

「いや・・いつもより何か、顔明るいから・・。」
「・・・・、そうか？」
「ええ・・。」

遠慮がちにそう言われ、アスランはフッと今朝を思い出し笑みが出てしまう。

ここ数年で・・一番、幸せな一時。

そんな、女性だったら倒れてしまうような笑みを見てタゴスタは内心、「・・この顔でポスター撮ったら・・またファンが増えるんだろうな・・」と思っていた。




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アスカガ幸せの一こまです♪