どんなに雨が降っても、風は流れ・・いつかは必ず晴れとなる。
先生×生徒
カガリ・ヒビキ(17)
花の高校二年生、父と母が先日他界した。
アスラン・ザラ(25)
カガリの通う、私立アカツキ高校の教師。カガリの副担任で高一の時から彼女を明るい生徒だと見ている。
科目は物理。本当は研究者だがそれだけでは食べていけないので、学校教師もしている。
シン・ヒビキ(14)
中学二年生でカガリの弟。元々反抗期だが、両親の死が切っ掛けで気持ちが不安定。
ミリアリア・ハウ(16)
カガリのクラスメイト兼親友。少々姉御肌。一学年上のディアッカという人と付き合っている。(設定変更しました。)
キラ・ヤマト(25)
アスランの親友で、大手会社に勤めている。
カガリとシンとは本当の兄弟だが、二人が生まれる前にヤマト家へと養子に行ったので二人は知らない。
あー。また新しいネタ光臨・・ただし続くかは不明・・。でもいつも続けたい気持ちはあります・・。
最初にあらすじ全部考えるんですが、打つ最中忘れたり、打っていて「感情表現面倒・・」って投げ出す・・orz
ある程度山場まで行けば大丈夫なんですが、その山が終わると風船が抜けたみたいに書けなくなることもあります・・;;;とりあえず行ってみよう!!!
両親が他界した。
通夜には学校の友達も・・担任も、副担任のザラ先生も来てくれた。
ザラ先生とは仲良しだが、誰とも目を合わせる気分にはなれなかった。
それは、悲しみか。
それとも・・これからの人生に対する不安か・・。
・・両方だ・・。
14になり、反抗期を迎え親に罵声ばかり浴びせていたシンは、私の手を握り泣いている。
私も・・シンの手を握りしめ泣いていた。
季節は秋。文化祭や・・体育祭、そんな事がある・・・一年の中でカガリが最も好きな時期だ。
けれど、もう・・そんな事も言っていられない。
通夜と告別式が終わり、カガリが最初にしたことは通帳の確認だった。
それと・・インターネットを振るに使い、これからの自分とシンの学費。
それだけじゃない、生活費も・・。
カガリとシンは共に私立の一流校に入っていて・・その分学費も半端じゃない。
どんどん顔が青ざめるのが分かる。
親の積み立てたお金・・保健金・・。
「・・・-----足りない・・。」
二人の子供を私立に入れて居るんだ・・当然・・その分積み立てられるお金も減る。
親もまさかこの年で亡くなるなんて思っていなかったせいか、保健は殆どガンなどに掛けられている。
「・・・全然・・たりないじゃないか・・。」
シンの居ない場所で泣く。
両親が悪いわけではないのは分かっていた。
腕は力で振るえ、拳に入れた指が痛い。
見積もっても・・自分が大学受験をして、合格し・・シンが高校受験をして合格したら、入学金や学費なんて絶対だせない・・。それにシンはその後に大学にも入るんだ。
銀行に行っても、マンション暮らしで明確な土地を持っていない高校生の自分にはお金を貸してくれないだろう。
サラ金なんて・・手を出したら終わりだ・・返せる当てだってない・・。
「・・・どうすれば・・いいんだ・・。」
どうすれば良い?なんて無い。
自分が働くしか道は残っていない。
「・・姉ちゃん?・・・おはよ・・。」
「ん、おはよう。シン。」
結局一睡もせず朝を迎えたカガリは、制服のままシンと自分の分の朝食を作っていた。
今まで男勝りだったカガリからは信じられない行動で、シンはその姿に両親は本当に居ないんだと再確認させられる気がして、嫌だった。
・・・でも、姉貴だって・・辛いんだ・・。
それが分からないほど子供ではない。
「・・別に・・朝食なんてパンだけで良いよ。」
姉貴はそんなことしなくていいんだよ。そう、シンが言うとカガリはニコリと笑う。
「あのなぁ、ご飯の方が安いんだよ!」
これからは家計のやりくりもしなければならない立場となったカガリ。
シンはその深い意味を知らず「そう・・」と小さく答える。
学校に行くと、大丈夫?と声を掛けてくる人やあえて何も触れないようにしてくれる友達が居て、両方とも嬉しかった。
大丈夫だと気丈に振る舞い、カガリは皆に笑顔を見せる。
「カガリっ!」
いつものようにそばに寄ってきてくれたミリアリアにカガリも微笑み、ミリィだけになら全てを言えると心を休める。
誰もいない帰り道で言おうと決めると、副担任が入ってきてHRが始まった。
副担任のザラ先生は高一の時からカガリのクラスを持っていて、皆に人気の教師。
実際・・気遣いの出来る賢く優しい人だとカガリも思う。修学旅行では必ず一枚は一緒に写真を撮る教師だ。
HRの終わり際、ザラ先生から声を掛けられる。
「ヒビキ!HRが終わったら、職員室に来るように!」
そう言われたので、カガリはそれに従い職員室へと行く。
「・・ご両親のこと・・先生からも、ご冥福を申し上げる。それと・・ヒビキ、君の家計は・・大丈夫なのか?」
この学校の学費を考えてのことだろうとカガリは納得する。
そして、いつも生徒の悩みに親身になってくれる先生に感謝が募った。
「・・あんまり・・大丈夫じゃない。」
ハッキリとそう言うと、ザラ先生は二枚の紙を渡してくれる。
「市で行っている奨学金・・それに、君は成績が優秀だから・・それの奨励金の手続きの紙だ。」
それにサラリと目を通し、カガリは先生に頭を下げその場を立ち去ろうとした。
「ヒビキ!・・何か困ったことがあったら、先生に相談してくれ。」
「わかった。」
そう答え、カガリは職員室から出ていく。
学校は文化祭の話題で持ちきりだった。
去年はクラスの中心となりやったカガリだったが、とてもやる気にはなれない。
フッと見るのは先ほどザラ先生から貰った紙だった。
だが・・友達達の居る前で、自分がこんなモノを見なければならないほど深刻な状況なんだと知って欲しくない。
その紙を直ぐに鞄にしまい・・昨日夜通し見ていたバイトのことを考える。
普通のバイトでは例え朝から晩まで入れても、とても自分とシンの大学分が堪るのは無理だった。
もっと、もっと・・お金が多い仕事。
その中で何とか見つけたのは、メイドカフェの仕事。
テレビで見る程度には知っているが、まさかそこに自分から入ろうという気になっているなんて思っても見なかった。
しかも・・普通そういう系の店は18以上・高中学生禁止が大多数。
そんな中で、店を見つけるのは大変だったが・・なんとか一つ見つけられた。
・・でも、治安が良いとは思えない・・。
ちらほらと店の紹介写真があったが、軽い恐怖も覚える。
しかし普通のバイトのように通行費が貰え、カガリはそれを使わず自転車で済まそうと決めた。
---・・こんどの土曜の学校帰りにでも・・面接、行こう・・。
そう決めて、カガリは何喰わぬ顔でそのみんなの話を聞いていた。
++++++++++
あー・・ごめん、カガリ・・・orz結構辛い話しになります。
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